切れ痔を放置するのは絶対にダメ!

切れ痔は、症状が軽度であれば、痛みや出血が自然に回復することもあります。

そのため、切れ痔を発症しても薬治療を行わない人もいますがそれは絶対にダメ!

そのまま治療せずに放置すると慢性化したり、症状が悪化する恐れがあるからです。

切れ痔を放置するとなりやすいのが、次の2つの疾患です。

  • 肛門狭窄(こうもんきょうさく)
  • 痔瘻(じろう)

① 肛門狭窄(こうもんきょうさく)

肛門狭窄とは、肛門が狭くなってしまう疾患です。

切れ痔を繰り返したり放置することで、切れた部分の傷痕が徐々に硬くなり、結果的に肛門が狭くなります。

肛門が狭くなると、便が出にくくなるので「いきみ」によって裂肛がおきて切れ痔の悪循環となります。

「肛門狭窄なんて、そんなに簡単にならないよ」と思っている人もいるようですが、その考え方は危険です。

肛門狭窄は、気がつかないあいだに進行するので気をつけましょう!

肛門狭窄が悪化すると肛門手術が必要になります。

② 痔瘻(じろう)

痔ろうとは、肛門の中と皮膚の間にできる「トンネル」のことをいいます。

肛門にあるポケット(肛門陰窩)の中に細菌(大腸菌)が入り込み、トンネルを作るのが痔ろうの原因です。

裂肛(切れ痔)から細菌が侵入して、痔ろうになることがあります。

これを「裂肛痔ろう」といいます。

主な症状は「痛み」、「腫れ」、「膿が出る」などで、発熱することもあります。

痔ろうは薬では治らないので、基本的に手術が必要です。

痔ろうを放置しておくと、徐々に複雑化して治療が難しくなり、最悪の場合は、痔ろう癌になることもあります。